「髪のダメージ(パサつき・乾燥)」の予防とケア方法【前編】
真夏は紫外線攻撃、秋から冬は乾燥老化におののく時期。そんな時こそアミノ酸シャンプーで、ヘアケアしながらしっとり感を出したいものです。でも、髪のリスク原因はいろいろあって、シャンプーを変えただけでは追いつかないかも。そこで、髪のダメージを軽減する方法を髪の毛の専門家・北澤秀子先生に伺いました。
理学博士、毛髪診断士、コスメコンシェルジュ、皮膚臨床薬理研究所株式会社相談役。
北澤秀子 先生
ヒト頭皮による発毛、育毛のための施術研究や顔ヨガ・表情筋運動の提唱を行なっている。日本毛髪科学協会会員、日本顔学会会員。著書に『美髪シャンプーの嘘』(幻冬舎)がある。
髪がダメージを受ける原因は?
髪の毛がダメージを受ける原因はさまざまあります。
まず、加齢によって毛母細胞が衰えると、健康な毛髪を生む力が弱まってしまい、髪が細くなったり量が減ったり、白髪が増えていったり……。これらを抑えるには、きちんとした食事で栄養を摂り、質の良い睡眠を心がけ、血液を通じて栄養や酸素が毛母細胞にきちんと行き渡るようにするしかありません。
次に、紫外線もかなりのダメージを引き起こす原因です。よく、紫外線ケアは夏の間だけすれば良いと思われがちですが、髪にダメージを与えるUV波は1年中降り注いでいるので注意が必要なのです。
また、乾燥によってもダメージが起こります。乾いた土壌で植物が育たないように、乾いた頭皮からは健康な毛髪が生まれないのです。紫外線も乾燥の原因になりますが、冬は空気が乾燥するため、頭皮だけでなく毛髪の水分がどんどん外へ出てしまい、キューティクルがはがれ、パサパサ髪、枝毛、切れ毛などが起こります。
髪の毛は加齢・紫外線・乾燥・カラーリングなど、
さまざまなことでダメージを受けてしまいます。
パーマ液やカラーリング溶剤も大きなリスクです。これらは、毛髪のタンパク質の結合力を弱めて、思うようにカールをつけたり、色を染めるためのもの。つまりわざわざ自らダメージを与えているようなものなのです。
さらに、洗髪やドライヤーだって、やればやるほど髪へ負担を与えます。ではいっそのこと、髪を洗わないほうがいいの? いえ、洗髪しなければ油脂や汚れが毛穴に詰まってしまい、頭皮にも毛髪にもいいことはないのです。
頭皮と髪の毛はケア方法が異なる
それでは、それらのリスク原因を減らして、頭皮や毛髪のためになるケア方法は?
以前もこの記事で書きましたが、頭皮と毛髪はケア方法が異なります。なぜなら、頭皮は顔の皮膚とつながっていて、健康を保つことで正常なターンオーバーを繰り返すことができ、丈夫で艶やかな毛髪を生み出すことができますが、毛髪はすでに死んだもの。だから切っても痛くないのです。
たまに〝傷んだ髪が自ら修復する〟という表現が使われることがありますが、自ら修復するのは無理なこと。髪が自ら修復できないからこそ、シャンプーの後にコンディショナーやトリートメントで保護して、キューティクルを整え、指通りをよくするのです。
頭皮と毛髪のために、頭皮を健康に保ちましょう。
「頭皮のためにも、毛髪のためにも良い根本的なケア方法は、毛髪を生み出す土壌ともいえる頭皮を健康に保つこと。血流が悪いと栄養が頭皮に届けられにくくなりますし、皮脂で毛穴が詰まっていると、切れ毛や薄毛の原因にもなってしまうからです。
頭皮は血流アップのためにマッサージをする
頭皮ケアには、皮脂の詰まりを取り除くことと、頭皮の水分を保持すること、そして血流を促すことです。
皮脂の詰まりを取り除くには、シャンプーの前に、まずブラッシングで毛穴から適度な皮脂を出しておくことです。そして頭皮全体にシャンプーをつけたなら、指の腹で頭皮をマッサージしましょう。指の動きは細かく、お顔のマッサージと同様にやさしく動かします。すすぎもマッサージをしながら念入りに。土壌がほっくりと耕せた……そんなイメージで、血液を頭全体にめぐらせるのが上手なケアになります。
また、軽くでもブラッシングをすることで、血流を促す効果も期待できます。
シャンプーの前に、ブラッシングで皮脂の詰まりを取り除きましょう。
健康な頭皮には30%程度の水分が含まれています。頭皮表面の角質層は、たった0.02㎜という薄さですが、この層だけで15〜20%の水分を保持することができ、外部の刺激から保護してくれるだけでなく、潤いのあるしっとりとした頭皮を保つことができます。
そしてこの水分こそが、皮脂膜をつくるもと。ブラッシングで古い皮脂を取り除き、健康な土壌で作られた新しい皮脂に守られてこそ、ツヤとコシのある美しい毛髪が生まれるのです。
今回は以上です!
次回の記事はこちら!
>> 「髪のダメージ(パサつき・乾燥)」の予防とケア方法【後編】
前回の記事はこちら!!
>> 「アミノ酸シャンプー」の正しい使い方【後編】