ダイエット中に起こる髪のトラブルと対処法【後編】
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ダイエットをしていると髪がパサついてきたり、抜け出したり、薄毛になったり……。これは前のような髪に戻るの?と思いますよね。そんな疑問について、内科医の桐村里紗先生に答えていただきました。
内科医・認定産業医。tenrai株式会社代表取締役医師。
桐村里紗 先生
予防を重視し、分子整合栄養医学や食によるケアでのアドバイスが専門で、テレビや講演などで活躍。著書に『腸と森の「土」を育てる』(光文社新書)が話題に。
【目次】
髪のために補いたい栄養
無理なダイエットをしていると栄養不足になりがちです。人間の身体と同様に、髪もいろいろな栄養素でできていますから、栄養はきちんと摂っておかないと、ガリガリボロボロな髪になってしまいます。
そこで、美しい髪を目指すために、できるだけ栄養は偏らず、満遍なく摂ることをおすすめします。
その上で、たんぱく質を摂取することで、髪の原料となるケラチンを補うことができます。また、毛母細胞が分裂・増殖する助けになるのが亜鉛、血流や栄養維持に大事なのが鉄分、代謝のために大切なのがビタミンB群ですから、これらを積極的に摂るようにしてください。
たんぱく質の摂取量は、低すぎても高すぎても良くないとされます。その推奨摂取量は、その人の体重や年齢、仕事の活動量にもよりますが、平均して18歳以上の女性は1日に約50gを摂ることが推奨されています。
鮭の切り身ひと切れが約15〜17g、牛乳コップ1杯が約5g、牛肉のもも肉が100gで約20gですから、食事ごとに分けて食べれば、十分に食べられる量です。
食べ過ぎはダイエットの妨げになりますが、脂身の部分を避けるなどをしながら、必要なたんぱく質の量を確保していくことをおすすめします。
亜鉛は、牡蠣やほたて貝などの貝類、レバー、牛肉、玄米、納豆などに多く含まれています。また、鉄分もレバー、牛肉、かつお、納豆、小松菜などに含まれています。あまり高カロリーなものはないので、ダイエット中でも摂りやすいと思います。
ビタミンB群は、体にとって良い効果がさまざまあります。
ビタミンB1は疲れを回復させる効果があり、ビタミンB2は脂質がエネルギーになるのを助けるため、ダイエットの味方です。
食品では豚肉、レバー、ぶり・いわし・さんまなどの青魚、うなぎ、大豆製品、玄米、緑黄色野菜などに多く含まれます。
また、ビタミンB6はたんぱく質の代謝をサポートしますし、ビタミンB12は血液を作る働きがあります。かつお・まぐろ・さんまなどの青魚、レバー、バナナ、玄米、牛乳などに多く含まれます。
ここに書いていない食材でも、これらが含まれているものがたくさんありますので、さまざまな食材を食べることで、補っていくことができるでしょう。
運動をしたら栄養を補う
ダイエット中は、食事制限をするだけでなく、運動も一緒にすることが多いでしょう。
しかし、運動することでミトコンドリアのエネルギー代謝が活発に回ると、そこでミネラルやビタミンB群が使われてしまうので、さらに栄養が足りなくなります。
バランスの良い食事を心がけ、時間をかけてダイエットしていくことが理想ですが、栄養が少し偏っていると思ったり、運動をプラスしているという場合は、マルチミネラル、マルチビタミンなどのサプリメントを利用して、栄養を補うといいでしょう。
今回は以上です!
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