自分にあった「アミノ酸シャンプー」の選び方【後編】
前回からの続き。>> 前回の記事はこちら
なかなか自分にあったシャンプーが見つからないと悩んでいませんか?「アミノ酸シャンプー」という言葉は聞いたことがあるけど、他のシャンプーとどう違うの?そもそもこの「アミノ酸」とは?といった素朴な疑問について、髪の毛の専門家・北澤秀子先生に伺いました。
理学博士、毛髪診断士、コスメコンシェルジュ、皮膚臨床薬理研究所株式会社相談役。
北澤秀子 先生
ヒト頭皮による発毛、育毛のための施術研究や顔ヨガ・表情筋運動の提唱を行なっている。日本毛髪科学協会会員、日本顔学会会員。著書に『美髪シャンプーの嘘』(幻冬舎)がある。
植物性界面活性剤ってどんなもの?
30年ほど前に日本の河川は、洗剤の泡で覆われ、環境問題として大きく取り上げられました。それが、科学的に作られた合成界面活性剤のせいだと騒がれたため、いまだに界面活性剤という言葉にアレルギーのある人がいるようです。
しかし、界面活性剤というのは、物質の境界面(界面)に作用して、性質を変えさせる物質の総称。油と水など、本来なら混ざり合わない物質の間にできる境界面の性質を変え、混じり合わせることができる(乳化する)ものです。
ですから、界面活性剤になりうる物質は無数にあるということになります。その中で、植物油脂を使用したものが「植物性界面活性剤」です。
アミノ酸系シャンプーには、植物性界面活性剤が使われていることが多いようです。天然素材なので、それ以外のものに比べて自然に還りやすい性質に優れていることから、人体だけでなく、地球環境にも負荷がかかりにくいといえます。
アミノ酸シャンプーが苦手な人もいるの?
アミノ酸シャンプーが優れていることはわかっていても、使ってみたら合わない……という人もいます。
- アミノ酸シャンプーを使いだしてから頭皮がかゆい
- しっとりしすぎて髪が重くなった
- 髪がきしむようになった
- セットに使った整髪料などが落ちきれない
これらの現象は、アミノ酸の性質を知って、シャンプーすれば改善できることが多いのですが、毛髪が太くて量も多いという人は、かなり苦労しているのが事実です。
アミノ酸シャンプーが苦手な人の対処法
アミノ酸シャンプーは植物性界面活性剤を使用しているため、頭皮にやさしく保湿効果も期待できます。しかし、その分洗浄力が弱いため、時間をかけて丁寧に洗う必要があります。
髪はすでに死んでいますので、髪をゴシゴシと洗うよりも、その髪を生育させる頭皮ケアが何より大切です。アミノ酸シャンプーは、頭皮ケアに最大の効果を発揮しますので、指の腹につけたシャンプーで細かく細かくマッサージしながら、毛穴に詰まった皮脂を取り除くのが正しい使い方になります。
指の腹につけたシャンプーで細かくマッサージ
また、髪が太くて量も多いという人は、頭皮に毛髪が密集しているため、指を動かしづらいのですが、その場合は、丁寧に時間をかけて頭皮ケアをしましょう。そして、シャンプーの後や、髪を乾かした後には、オイルなどをつけて毛髪を保湿することもポイントです。
ヘアオイルなどをつけて保湿しましょう
さらに、髪が長い人はとくに、シャンプー時に大きく指を動かすと、その指に毛髪がからみ、そのまま引っぱられて抜けてしまうことがあります。その場合は、「毛髪の汚れはどうするの?」と思われるかもしれませんが、毛髪の汚れは、シャンプー前にブラッシングと湯洗いをすればそれだけで落ちます。
シャンプー前にブラッシングと湯洗いをしましょう。
しかし、「アミノ酸シャンプー」と表記されていても、洗浄力の強い「高級アルコール系」の成分がたくさん含まれていることもあります。「アミノ酸シャンプーが苦手」と思っている方の中には、そういったシャンプーをアミノ酸シャンプーと勘違いして洗いすぎてしまい、頭皮を乾燥させてかゆみが出ている場合もありますので、注意が必要です。
そのようなシャンプーの場合は、頭皮にシャンプーが残らないように、シャンプー成分をしっかり洗い流すことが必要です。
しっかりシャンプー成分を流しましょう。
今回は以上です!
次回の記事はこちら!
>> あなたは大丈夫?今すぐ見直したい髪に悪い食生活
前回の記事はこちら!!
>> 自分にあった「アミノ酸シャンプー」の選び方【前編】