自分にあった「アミノ酸シャンプー」の選び方【前編】

なかなか自分にあったシャンプーが見つからないと悩んでいませんか?「アミノ酸シャンプー」という言葉は聞いたことがあるけど、他のシャンプーとどう違うの?そもそもこの「アミノ酸」とは?といった素朴な疑問について、髪の毛の専門家・北澤秀子先生に伺いました。

この記事を監修する専門家
北澤秀子 先生

理学博士、毛髪診断士、コスメコンシェルジュ、皮膚臨床薬理研究所株式会社相談役。
北澤秀子 先生

ヒト頭皮による発毛、育毛のための施術研究や顔ヨガ・表情筋運動の提唱を行なっている。日本毛髪科学協会会員、日本顔学会会員。著書に『美髪シャンプーの嘘』(幻冬舎)がある。

頭皮のケアと髪の毛のケアは異なる

頭皮のケアと髪の毛のケアは異なるイメージ

日本人の頭皮から生えている髪の毛は、約10〜14万本といわれます。そのうち約50〜100本が毎日抜け落ちていきます。 抜け落ちる?と聞いて、違和感がある人もいるでしょう。でもそうなんです。発毛してから脱毛まで、女性は4〜6年、男性なら2〜5年というサイクルで髪の毛は成長し、新陳代謝で役目を終えていきます。

「髪の毛はまるで植物みたい」と思っている方もいて、薬剤的なものを塗ることで栄養を与えることができると考えるかもしれませんが、髪の毛は植物と違って、すでに「死んでいる」もの。だから切っても痛くありません。

以前、CMのコピーで「傷んだ髪がみずから修復する」というものがありましたが、死んでしまった髪の毛がみずから修復することはありえません。

もうお分かりだと思いますが、頭皮と髪の毛では、おのずとケアの仕方が異なります。 髪の毛のトラブルの原因には、

  • 紫外線
  • 枕や帽子などによる擦れ
  • カラーリングや白髪染め
  • 日々のドライヤーやアイロン
  • シャンプー時の洗いすぎ

などがあります。

紫外線 日々の摩擦 カラーリング

つまり、そのケアは、これらの原因によって受けたダメージを鎮めることなのです。

それに対して、丈夫な髪の毛が生まれるかどうかは、その土壌にかかっています。つまり、頭皮です。頭皮を元気にするには、まず「血流」を良くすることです。そのため、冷えやストレスは大敵になるのです。

ストレスは大敵 イメージ

それ以外の頭皮のトラブルに「細菌」があります。頭皮は、湿度・温度・栄養という細菌が大好きな条件が揃っている場所。強い洗い方をしたりすると頭皮に「傷」ができて、それが刺激となりますし、洗い過ぎで皮脂を取り過ぎて起こる「乾燥」が原因で、皮膚がめくれていきます。いろいろな細菌が、そんな傷や乾燥した部分に入りこんで、トラブルを発生させることもあります。

頭皮を清潔に保つには、シャンプーをすることが一番ですが、洗いすぎは頭皮を傷つけたり、乾燥させたりする原因にもなるので気をつけましょう。そうして、頭皮を常に元気な状態にしておくことで、美しく健康な髪の毛が次々と生まれる土壌が整えられていくのです。

アミノ酸ってナニ?

アミノ酸ってナニ?イメージ

頭皮にとってベストなシャンプーを探していたら、「アミノ酸シャンプー」という言葉に出会ったという人も多いのではないでしょうか?

そもそも「アミノ酸」とはどんなものなのでしょう?
私たち人間の体は、約60%が水分で、残り約40%のうちのおよそ半分を占めているのがアミノ酸です。アミノ酸は、たんぱく質を構成する有機化合物のこと。このアミノ酸がつながってタンパク質ができています。

人間の体の中には20種類のアミノ酸が存在しますが、ひとつでも欠けるとたんぱく質を合成できません。その中の8種類は「必須アミノ酸」といわれるもので、自分の体の中では作ることができないので、いろいろな食べ物から摂る必要があります。 ちなみに植物も、吸収した光や、空気中の窒素から得られた糖をもとにアミノ酸を作り、そのアミノ酸からタンパク質を作っているのです。

人間の体の割合 イメージ

“アミノ酸入り”とわかる表記は?

アミノ酸ってナニ?イメージ

界面活性剤の種類による分け方以外に、シャンプーには「化粧品」と「医薬部外品」という分け方があります。

化粧品として登録されているシャンプーは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で全成分を表示することが義務付けられています。そして、内容量が多い成分から順に表示しますので、水が最初に書かれているということが多いようです。ただし、1%以下の成分は順不同です。

一方、医薬部外品として登録されているシャンプーは、すべての成分を表示する義務がありません。また、記載順に規定がありませんが、有効成分から順に記載することが多いようです。(中には、上位に記載されている成分が、有効な洗浄成分でないこともあります)

アミノ酸シャンプーに含まれるアルカリ剤には、ナトリウム(Na)、カリウム(k)、トリエタノールアミン(TEA)、の3つがあります。

ですから、シャンプーの成分表記の部分に、下記のような表示があれば間違いなくアミノ酸入りです。

  • ココイルグリシン酸Na、
  • ココイルグリシン酸k、
  • ココイルグルタミン酸Na、
  • ココイルグルタミン酸k、
  • ココイルグルタミン酸TEA、
  • ココイルメチルアラニンNa、
  • ラウロイルメチルアラニンNa、
  • ラウロイルメチルアラニンTEA……等々。

これらの成分の違いについては、別の記事でご紹介することにしましょう。

今回は以上です!
次回、後編はアミノ酸シャンプーの洗浄力について解説いたします。

続きは後編をチェック!
>> 自分にあった「アミノ酸シャンプー」の選び方【後編】

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